香港での家探し

香港への留学を決意してから三年後。

五年勤めた会社を退職し、なんとか留学先の大学への入学申請とビザの手続きを完了させ、あとは渡航の日を待つばかり!

・・・とはいえ、やはり香港での住居は先に確保しておきたい。

と言う事で留学のひと月前に香港へ家探しに行く事にしました。

海外暮らしどころか一人暮らしさえ初めてな上、広東語も英語も分からない私が突然不動産契約するのはかなり無謀。

中国人の友人がいる友人に相談すると、友人のそのまた友人の香港人女性Lさんが物件を紹介してくれる事に。

Lさんが連れて行ってくれたのは、私が通う予定の大学から電車で三駅離れた沙田(シャーティン)という地域にある古いマンションの一室。

Lさんが「ここよ。」とドアを開けると、ドアを開けてすぐ見えるキッチンに中年女性がなにやら料理をしているのが目に飛び込んできました。

更にリビングに目を向けると、そこにはソファに座ってテレビゲームに夢中の三人の子供たちが。

更に更に三畳半くらいの部屋には中学生くらいの女の子が寝ており、五畳くらいの部屋では高校生くらいの男の子が読書中。

洗濯物も干してあるし、何でしょうこの溢れ出る生活感!

と目を丸くさせているとLさんが「この家はこの家族の持ち家なのだけど、新しい家を買ったので来月引っ越す予定なの。」と説明してくれました。

香港ではまだ人が住んでいるのに次の借り手に部屋を見せたりする事も多々あるみたいです。

日本でも一人暮らしした事無かったけど、防犯意識の強い日本では絶対有り得ない事だよなぁ、と早速カルチャーショック。

人が住んでいること以外は特に問題もなかったので、その家を借りる事にして準備万端、

今度こそ、あとは留学の日を待つばかり!

・・・だったのですがそこは香港、意外な展開が待ち構えていました。

 

香港へと出発する二日ほど前にLさんから連絡が入りました。

なんと!というかやっぱり!というか、私が住む予定の部屋の家族がまだ引っ越していないらしい。

「あなたが来て三日後には確実に引っ越すから、三日間はどこかで過ごして。」

と悪びれる様子も無し。

まあー、これが不動産屋相手だったら文句も言うけど、ボランティアで面倒見てくれているLさんだからちょっと文句は言い辛い。

ちなみに前払いしている家賃からその三日分は差し引いて返すけど、ホテルに宿泊しても宿泊代は出さないよ、と追い討ちをかけられ、香港に着く前からガックリうなだれる。

飛行機のチケットも買っちゃったし、大学のオリエンテーションも有るから渡港する日をずらすわけにも行きません。

仕方なくLさんに紹介してもらったホテルを予約してそこに二泊。

約束の三日目の夜9時ごろ、ようやくLさんから「もう住んでも大丈夫だよー。」と連絡をもらい、パンパンのスーツケースを引きずりながら部屋のドアを開けると、そこには土足で踏み荒らされて土まみれの床が見えました。

リビングには住人が残していったゴミが散乱。

嫌がらせか?とちょっと卑屈になった私だったけど、自分が引っ越してみてようやくわかった。

香港の引越し屋さんは土足で部屋に上がりこんで荷物を運び出すのです。

おまけにたったの十五分くらいで家中の荷物を全て運び出し、即新居へ出発と言う運びになるので、

元の住人は掃除する暇はありません。

今の私は引っ越す度に戻ってきて綺麗に掃除してから大家さんに鍵をお返ししているけど、

この時は引っ越してすぐ私が入居したから掃除する暇も無かっただろうし。

とにかく、家は手に入れてひと安心。

翌日から大掃除の開始です。

 

翌日、早速近所の雑貨屋さんで掃除用具を買い込んでお掃除開始。

床の土は掃除機が無いのでほうきで掃いてから水拭き。

前の住人が置いていった三畳半の部屋に置いてある妙にファンシーなピンクのキティちゃんの絵が各所に散りばめられたタンスやベッド、学習机を磨く手にも思わず力が入ります。

五畳の部屋に置いてあったこちらはシンプルな白いタンスもホコリだらけだったので拭き拭き。

中も拭こうと扉を開けると、ちょうつがいのところに真っ白なキノコがにょっきり。

香港湿度高いからなぁ。特に春夏の湿度は100%になる事も有るし・・・ってそういう問題?

キノコを刈り取ってから手でも洗おうとトイレのドアを開けると、そこには何故か真っ赤な便器が鎮座。

日本で白かクリーム色、薄ピンク以外の色の便器を見たことがなかった私、最初見た時は軽くのけ反りました。

遊びに来たクラスメートが後日学校の授業の宿題の作文で、「彼女の家の便器は赤い。病気で血尿が出てもわからないレベル。」と書いていたのに思わず納得。

他の家でも真っ青とかいろいろな色の便器があったけど、ヘンな色だから安いのかしら。

便器と同じく赤い浴槽には黒くにごった水が張ってあり、モップが無造作に突っ込まれています。

うわー、と思いながら水を抜いて一通り洗剤とスポンジで磨くと、白いカビが点々と生えているのが見えます。

こりゃ、お湯張って湯船には浸かれないな・・・と一年間湯船に入れない覚悟を決める。

そんなこんなで三日かけて家を磨き上げ、ようやくなんとか住める状態を確保。

駅からちょっと遠いとか周りに猿が出るとかいろいろあったけれど、必死で掃除しただけあってそこそこ住み心地の良い家となり、猿が出る等のハプニングは有ったものの無事に一年の契約期間終了。

その後また数回の引越しを経て、今は会社がある香港島の上環に住んでいます。

また機会があれば他の引越し時の話についても語らせていただこうと思います。

 
 
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